
岡芙三子 小品展 + 昭和モダンなガラス鉢展
2017年5月13日(土)~ 5月20日(土)
*岡芙三子 小品展
たまたま紙の上に落ちて固まった蠟燭の雫を取り除いたとき、その痕跡に
明快なメッセージを感じ、その驚きが蠟を使う作品の糸口となっている。
*昭和モダンなガラス鉢展 同時開催 展示のみ
昭和30年代、家庭に洋食器が普及しはじめ、台所が日に日にモダンな
キッチンへと変わっていった時代のノスタルジーなガラス器です。
岡芙三子
1995年にアクリル絵具を使いはじめた時、手先で描くことを禁止し、画材を流すだけの制作を始めました。
たっぷりの水で薄めた絵具や、熔かした蝋を流す方法によって現れる微妙な線や思いがけない形状の面白さを追い、最後に脱蝋するまでは、制作している画面をつぶさに認知しないという仕組みでした。
こんな手法を始めた動機は、知識過剰であるのに自分の身体のことすらよくわからなくなっている現代人の反省として、頭脳的にならずに身体を感じ、大らかな絵を描きたいという気持ちだったと思います。
20年ほどそういう制作をいたしました。そして大量の蝋の処理がおっくうに感じるようになった2年前のこと、反古紙に描き散らしてあったドローイングを評価していただいたことに驚き、改めて自分の線を眺めました。
反古紙というのは百貨店の紙袋を開いて貼り合わせたものとか、荷物の包装に使われていたクラフト紙を継ぎはぎしたものですから、惜しみなく大胆になれますし、強い紙質の抵抗感は心地よいものでした。
このドローイング発見の後、大量の蝋を使うことを中止し、刷毛で塗ることも線を描くことも自由になりました。
原点のペインティングに戻っています。
考え方は殆ど変っていないつもりですが描きっぷりはすっかり変わりました。
新旧の方法を混ぜてご覧いただきたいと思います。
2017年5月13日